おしごと

3月は別れの季節・・・

毎年3月は少しさびしい季節です。

お役所の人事異動のシーズンなもので、法務局や裁判所の職員の方々が転勤になるんです。

みなさん、だいたい2~3年で異動になられるみたいで、今年は特に裁判所でガラリと顔ぶれが変わります。

簡裁のT裁判官、優しい笑顔をありがとうございました。駅からの長い道のりを大きな鞄を肩に飄々と歩かれる姿が印象的でした。

家裁のT書記官、一見気難しい風貌をされてますが、実は笑顔の素敵なナイスミドル。いつもさり気ない優しさをありがとうございました。

家裁のF調査官、柔らかく丁寧な物腰で、後見面談の際も年配の方に寄り添うような笑顔で接してらっしゃいました。

地裁のN書記官、大きな体と強面の風貌で威圧感たっぷりでしたが、相談させて頂くととても親身に話を聞いてくださいました。ありがとうございました。

2~3年というと、丁度気心が知れて親しくお話できる頃なので、そうした時期に訪れる別れはいつもとても切ないです(u_u。)

どうか、お身体に気をつけて。

新たな赴任地でのご活躍を願いつつ、着任中のご厚情に深く深く感謝します。

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研修会

今朝は5時に起床
6時20分の電車で米原に行きそこから新幹線で東京へ。
で10時半から5時過ぎまで…
司法書士法改正大綱の研修会でした(-_-;)
各県会から1名以上派遣の要請で福井県会からは委員会の関係で私が行く羽目、アワワ、行かせていただきました。旅費とホテル代は支給されるし明日はフリーだからまあいいんですけどねf^_^;
それにしても、早朝出発で6時間もの講義、集中力が続きません!何度爆睡したことか。
せっかく旅費まで支給して全国の会員集めるなら居眠り必至の日程はいかがなものでしょう。それに朝の10時からって、もっと遠い場所の会員は前日から泊まりか??
遠路はるばるの会員はどうせみな今夜は東京泊まりなんだから一日目は午後開始、翌日の午前に残りの講義とした方が絶対いいと思います

ちなみに今夜はなぜか両国泊まり。江戸東京博物館が見たかったのでここにしました。
両国なんか昔東京に住んでた頃にも来たことなかったですf^_^;
なかなか猥雑な駅周辺がナイスです。
ホテルのすぐ裏は隅田川\(^0^)/

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頂きました!

昨日、お客様から頂きました!

純国産、手作りの蜂蜜です(o^-^o)

定年退職して農業をしておられる方なのですが、趣味で養蜂をされているとのこと。

瓶の中で金色に輝くそれはくまのプーさんがよだれを垂らしそうなほど見事な蜂蜜。

お客様が帰られたあと、我慢しきれずに給湯室で補助者のTちゃんとスプーンですくって一口( ̄ー+ ̄)

混じりけなしの蜂蜜は、気品さえ感じられる味わいでした

お客様からはよくいろいろなものを頂戴しますが、こういう、丹精された自家製ものが一番嬉しいです(*^-^)

Cas26sg1

Mさん、どうもありがとうございました。大切にいただきますm(_ _)m

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判決!

本日、昨年の9月から実に6回もの口頭弁論期日を要した訴訟の判決言い渡しがありました。

言い渡しそのものには出頭しませんが、通常即日判決書が交付されるので、その日の内に裁判所に赴き判決書を頂いてきます。

判決書をもらったら代理人として受領書に印鑑を押すのですが、その間もどうしても主文のところに目がいきます。そこに書かれている内容がこれまでの苦労の結果なので、言ってみれば試験の合否、あるいはボーナスの明細書、はたまた成績表を手にするときのような不安でドキドキです((・(ェ)・;))

結果は・・・

当方(原告)の主張がほぼ全面的に認められた内容となっており、本当に嬉しくほっとしました

それにしても、、、

サラ金相手の裁判以外の訴訟代理人は、実に全く、骨が折れる割には見返りの少ない業務です(u_u。)

たくさんの証拠を揃え、苦心惨憺で準備書面を作成し、相手の主張に原告本人以上に腹立ち悩み、何度も何度も本人と面談協議を繰り返し、それでも今回は勝てたからよし、これで負けたら報酬の支払いさえなされないこともありえます(;´д`)トホホ…

それに、成功報酬といたところで、訴額自体がたいした金額でないときは清算書を作っていても泣けてきます(;ω;)

普通の所有権移転登記を2~3本受けた方がまだ多いくらいの報酬の場合も・・・

それでも、せっかく司法書士に認められた簡裁代理権、過払いの取り戻しだけに終始するのではあまりにも勿体なく、また本旨に反すると思うのです。

骨折り損のくたびれもうけ、、、

それであっても、やはりきちんと受けていかねばならない職域であると私は思います(  ̄^ ̄)ゞ

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あっちゃ~~~~~(泣)

今、とある地区からの依頼を受けて、地区共有道路を建設するために、各土地の所有者を確定する作業をしています。

早い話、ほったらかしになっていた相続の登記をきっちり済ませ、土地の名義人を現在生存の単一人のものにする作業です。

6人いる関係者の内、相続登記がなされず作業を要する方は4名おられました。

件の相続業務の一括請負ですからありがたいお仕事です( ̄ー ̄)vニヤリ。

中で、やや厄介なのは5代前から名義変更がなされていないYさんの案件。

しかしこれとても、3世代は全て旧民法の「家督相続」の適用があるため、集めなければならない関係者の「特別受益証明書」(私は相続分がないから代表者1名の単独所有で文句ありません、ということを明言する書面)は5人のみ。その5人の内の2名は依頼人の弟、妹で全く問題はなく、少し面倒かなと思われた3人も、長男の方が大変親切な紳士で、他の弟たちの分まで先日取りまとめて送ってくださいました。

と・・・そこまではよかったのです

ところが・・・・・!!(゚ロ゚屮)屮

実はこの件、過去に官庁が何かしらの必要があってこの家の「相続関係説明図」(家系図みたいなもの)を作っており、私としてはなんたってお役所のしたこと、全くこの説明図を疑うことはしなかったのです(・_・)。

が、しか~~~~~し(≧ヘ≦)

一昨日改めて仔細に戸籍を調査してみたところ・・・

最後の「家督相続」の事実はどこにも記載がないのです(´Д`;≡;´Д`)アワアワ

最後に亡くなった戸主は息子に先立たれた母親。

そしてその方が亡くなったとき、戸籍の中には彼女以外に誰もおらず、役所作成の説明図によれば、次男のOさんが「家督相続」と記載されているのですが、当時O氏は分家しておりました。その後彼が亡くなるまでの各戸籍を逐一調べても「家督相続」の事実は一切でてきません

つまり最後の部分の家督相続は。。。。なかった

さあ、大変です

家督相続人の選定なきままに新民法の施行時期を迎えてしまったときにどうなるか

民法附則第25条第2項本文により、被相続人の死亡のときに遡って、新法が適用されるわけです

つまり、、、、

全ての子供が相続人_| ̄|○

亡くなったおばあちゃんがまた子沢山で、しかも全員これまた子沢山、その子らも既に全員他界しており

推定される当事者は30人、くらい_| ̄|○

きゃああああああああああああああああああああああ

むりむりむりむりむり、む~~~~~~~り~~~~~~~~モムーリ!o(゚Д゚)っ

そんな大勢から全て署名捺印(しかも印鑑証明付きで)集めるなんて。。。。

想像を絶しますSbsh0283

ε-( ̄ヘ ̄)┌

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みんな元気でなによりです

今日は、私が後見人をしている方たちが入所している施設へ、各自の支援計画の説明を受けに行って来ました。

いつの間にやら、後見人をさせてもらってる方も10人にw(゚o゚)w

その中の4人の方が、この知的障碍者支援施設に入所しています。

順番に一人一人の現在の様子や支援の方向を聞くわけですが、

それぞれに個性があって、何て言ったらいいのか・・・・微笑ましいです(^-^;

Gさんは施設最高齢。

御歳7*才ですがいたって元気

今日は会えませんでしたが、会うとにこにこ笑って腕をとって自分の部屋に案内してくれますヽ(´▽`)/

最近は「仕事」に目覚めたようで、空き缶潰しが生き甲斐だそう。

毎日せっせと作業場に通うのですが、いかんせんかなりの「仕切り屋」なもので、他の入所者さんからは煙たがられる一面もあるとか(;´▽`A``

仕事に目覚めたといえば、Hさんはもっと凄いらしく、今までは日がな一日部屋でぼーっとして、時たま廊下を散歩するくらいだったのですが、作業場で空き缶を潰すと工賃が支払われると知り、一度工賃を手にしたときから、仕事をしてお金を稼ぎ、それで自分の好きなものを買うという喜びを味わい、今や早朝から「仕事仕事」と凄い張り切りようだそうです(゚0゚)

最近視力の低下が著しいYさんは、本当に愛らしいしぐさで私にいろいろ話しかけてくれます。

一番最近後見を引き受けたKさんは四人の中でも最も重度の知的障害

いつもズボンの片方をたくし上げるという妙な格好で歩いています(゚▽゚*)

このKさん、一時期不眠に悩まされており、深夜に施設内を彷徨することがよくあったらしいのですが、担当スタッフのFさんが宿直勤務で真夜中に事務局で執務中、物音に気付いて顔を上げたところ、目の前のガラスの向こうに、眠れなくて不機嫌なKさんの顔が!!(゚ロ゚屮)屮

丑三つ時。闇の中に浮かぶ、藪睨みのKさんの顔は失禁するかと思うくらいに怖かったそうです(゚▽゚*)

私は時々こうして彼らの住む施設に赴くことがかなり好きです。

何て表現したらいいのか・・・

あの建物の中に入っていくと、ものすごくほっとするんです。

勿論、現場のスタッフの方たちには言うに言われぬ苦労がたくさんあって、たまに訪ねる私がそんな暢気なことを言うのもどうかとは思うのですが、それでも、あの中に入ると、肩肘を張らなくていい、形式にとらわれない、あっけらかんとした明るい空気が流れている気がするんですよね。

でも、私としては一つ、いつも心にかかる疑問があります。

福祉というものの在り方です。

確かに彼らは望まない障害を持って生まれてきた。保護しなければならないことは間違いないと思います。

では誰が保護するのか。それは「健常者」みんなだと思います。

しかしながら、この疲弊しきった社会の中で、健常者全員が人を保護する余力を持つのでしょうか。

一方で、福祉という庇護のもと、ほとんど不自由も不安もなく暮らす人々。他方では健常者であるとはいえ派遣切りや過重労働で不安と経済的不自由を余儀なくされる人々。

両者に接する機会の多い私には、今の社会がいびつに見えて仕方がないのです┐( ̄ヘ ̄)┌

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笑っていいのか・・・

Sbsh0120 *写真と本文は全く関係ありません

昨日のつづきの前に・・・

今、民事再生の申立てを予定してるYさんの奥さんから、今日電話が入りました。

このYさん、一時パチンコに入れあげまして(-_-X)、カード債務をざっと400万ばかし積み上げた方なんですが、彼の奥様が実に味のある楽しい方(o^-^o)なんです。

もちろん彼女も、家のローンと高校生の娘さんを抱え、旦那の放蕩には「殺意沸きますわ」

と言うくらい立腹でした。

Yさんはもともと神経性の持病(うつ)を抱え、時々会社で倒れたりすることも・・・( ̄○ ̄;)!

体つきはがっしりとして背も高く、誠に頼もしげな外見とは裏腹に、精神的にはとっても脆い部分があり、小心者。

で、このYさん、去年の夏に会社を辞めまして。

民事再生を適用するには毎月きちんと収入があることが大前提のところ、これでは申立てできないから、早急に就職を探しなさいと指導し、次の就職先が見つかって大喜びしたのが今年の1月。あとは試用期間をクリアして毎月固定給が支給されるようになったら再生の申立てをしましょうねと言っていたのです。

予定では今月あたりから正社員となるはずでした。

ところが、今日の奥様からの電話で

「先生、、、うちの旦那クビになって・・・(-_-X)

晴天の霹靂でした

夫は就職が決まり、彼女のパート給料も少し上がり、娘さんも県立高校に合格(◎´∀`)ノ

ようやく運命が好転し始めたなあと、人事ながら私も気持ちが明るくなっていたのです

斬首の理由は、彼が会社に病気を隠していたところ、どこをどうしてかばれてしまったとのこと。

確かにこの就職難の買い手市場の昨今、わざわざ厄介な病気を抱えた者を雇用したくはないという会社の心情も理解できないではありません。

それにしても。。。

ともかく、今後のことは近いうちに来所頂いて相談することになりましたが。。。

根が陽気な奥さん、本気とも冗談ともつかない口調で言いました。

先生~~私ニュース見て悔しいてなあ(。>0<。)

焼肉えびす

福井みたいな近くにあったのになんで旦那連れて行かんかったんやろ===(≧ヘ≦)

ユッケ山盛り食べさせたらよかったわあ

ほんまに、かわいそうに小さい男の子が死んで、死んでもかまわん大きい男が生きてるなんてな~~~(#`Д´)

あの肉、まだネットで買えんやろか

笑っては不謹慎な話題ではありますが、爆笑してしまいました(;´▽`A``

「今頃売ってるわけないやろ

しかも今食べさせたら奥さん殺人罪やで( ̄◆ ̄;)

だいたい、あの怖がりの旦那さんが今の今ユッケ食べるわけないやろ(-_-X)」

さてさて、

笑ってる場合ではありません。

なんとか対策を考えないと。。。

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さまざまな物語~その2~

私たちは、相続のお仕事の依頼を受けた場合、まず真っ先に、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せします。

戸籍は見ていると、その人の人生が浮かび上がってきて物語を読んでいるような気になることがしばしばです(*゚ー゚*)

なぜ、出生から死亡までの戸籍を取り寄せるか。。。

それは「相続人」を確定するために必要だからです。

で、その際、戸籍の記載事項が遺族に思わぬ波紋を呼ぶこともままあります。

その最も典型的な例が、夫が亡くなって初めて明るみに出た奥様以外の方が生んだ子供の存在です。( ̄○ ̄;)!

今からお話するSさんもまさしく、寝耳に水の夫の子に驚愕した方でした。

Sさんは、自身は二度目の結婚で亡くなった御主人と家庭を持ちました。

一人娘を連れ子にして一緒になられたのです。

高齢とはいえ、はかなげな佇まい、優しい笑顔、たおやかな所作・・・

その昔はさぞ美しかったであろうと思われるSさんは、亡くなった御主人と仲良く、市内の眺めの良い高台に建つシルバーマンションに住まわれていました。

御主人が亡くなってその所有不動産の相続登記の相談でおみえになったのですが、私は彼女から、夫婦の間に子供はないし、私の連れ子は故人とは養子縁組していない、故に相続人は私一人です、そうお聞きしていたため、最も簡単な部類に入る単純な相続登記の仕事と思い受任しました。

ところが・・・

御主人は生まれた戸籍は信州に、その後こちらに本籍を移されていたので、転籍前の戸籍は郵送で取り寄せしましたが・・・

その戸籍を人目見て・・・w(゚o゚)w

御主人もまた、Sさんとは二度目の結婚だったのです

しかも、前妻との間には娘さんが一人

私はこの事実をいきなりあのはかなげなSさんに話すことが躊躇われ、まずは彼女の娘さんに連絡を取りました。

娘さんもその事実に驚きを隠せない様子でしたが、

「ああ、だから父は私との養子縁組をなかなかしようとしなかったんだ・・・」

そう言いました。

Sさんの娘さんと故人は血の繋がらない父子ではありましたが、それは可愛がってもらったそうです。にもかかわらず、子供の頃から縁組の話が出るたびに故人は曖昧に返事をするだけでいっかな具体的な手続きはしようとしなかったのだそうです。

確かに、戸籍に触れることは自分の過去が明るみに出ることになると故人は考えたのでしょう。

「母は物凄くショックだと思います。父のことを信頼して、大好きで、頼りきってましたから。こんなに大きな隠し事があって、最後まで母には内緒で死んだこと、哀しむと思います・・・(u_u。)」

誰よりも愛して、信じていた者が、大きな秘密を死ぬまで胸に秘めていたことは確かに遺された者には辛い事実に違いありません。

しかしながら、重大な事実を当事者に秘匿したまま業務を遂行することはできず、私は娘さんの口からお母様であるSさんに伝えて頂くことにしました。

その後、私はSさんや娘さんと相談の上、主だった遺産である土地建物はSさんが単独相続する代わりに相当額を代償金として前妻の娘さんであるAさんに支払いたい旨の遺産分割提案書を先方にお送りしました。

お送りする前に、突然書面が届いたのではAさんも驚くことでしょうから、いつものようにお電話で一言ご挨拶をさせて頂きました。(女性は男性と違って、さほど相手に警戒心を抱かせないのでこんなときはつくづく男でなくてよかったと思います)

Aさんは私からの電話で初めて実父の死を知りました。

「お父さん、、、死んだんですか!?

なんで?どうして?

私、なんにも知らなかった・・・」

電話口でおろおろと慌てたAさん。やがてその声はすすり泣きに変わりました・・・(ノ_-。)

つづく・・・

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さまざまな物語~その1・後編~

息子(養子)さんの差し出した離縁届の証人欄には、すでに証人2名の署名もされていました。

一人は彼の妻、もう一人は妻の父親でした

実は彼、結婚したときに妻の実家に養子に入っていたのです。

だから、離縁の申し出は妻の実家の意向も働いていたのかもしれません。

どうしても自分からは言えないし、養母であるTさんには会いたくないのだと言い張る彼に負けて、私がその旨をTさんには伝えました。

Tさんは、私の口を通じての彼の言葉を静かに聴いていました。さして驚く風もなく・・・

そして言いました

結婚したとは聞いてたけど、向こうの養子さんになっとったんやなあ。

私らは何にもしてやれなんだけど、向こうさんはよくしてくれるんやろなあ。

父ちゃんの葬式にも出てくれなんだから、もう縁はないかなあと思ってたけど。

なんでかなあ、、、そんなひどい育て方はしてこなんだつもりやけどなあ・・・( ´_ゝ`)」

詳しい事情はどちらの口からも聞くことはできませんでしたが、いろいろな感情の交錯があった末のことだったのでしょう。

Tさんは結局離縁を承諾しました、一つだけ条件をつけて。

条件は。。。

お父さんの残した遺産の半分、100万円を彼に受け取らせることでした   Σ(・ω・ノ)ノ!

高齢で、市営住宅に住む年金暮らしのTさんにとって、それは相当な大金であるはず。

それを、自分を捨てて最早縁もゆかりもなくなる者に贈る心境が私には全く理解できませんでした。

それでもTさんは

「これだけはしておかんと、父ちゃんに悪い

と言ってききません。

息子さんはお金の受け取りを最初は当惑して拒みました。

これから自分は一切面倒見ることはできない、老後の資金に大切にとっておいてほしいと。

私も尤もであると思いましたが、Tさんの意思は固く、結局彼には無理やり受け取らせることになりました。

後日、全ての手続きを終えて、Tさんと一緒に銀行を出たとき、

「先生、えらいいろいろお世話になったなあ。ありがとうなあ。お昼どっかで食べよか。ご馳走させて(゚ー゚)」

とTさんが仰いました。

「ちょうどお昼ですもんね、ご馳走になります」

「私なあ、カツ丼食べたいわあ、先生嫌か(^-^;?」

「ヨーロッパの? 大好きですわ」

(ヨーロッパ軒のカツ丼。敦賀市民で知らない者はいません。

いつの間にか「知る人ぞ知る」B級グルメになっていて、最近では休日の昼間は他県ナンバーの車やバイクで駐車場が満車の活況です)

私たちは差し向かいでカツ丼を食べました。

嫌なことがあったら、いつでも来たらええって、伝えといてくれるかなあ?」

呟くように私に言ったTさん。。。

どうか元気でいてください( ´;ω;`)

あの時はカツ丼ご馳走様でした

おしまい

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さまざまな物語~その1~

我々の業務は、お客様のとても深い部分とかかわることが多々あります。

そうした中で、思い出に残るお客様のことを、これから少しお話してゆきたいと思います。

もちろん、絶対の守秘義務がありますので、事実ばかりとは申しませんが・・・

Tさんと出会ったのは、何年か前の秋のことでした。

銀行の顔見知りの女性社員から電話が入り、助けてあげてほしいおばあちゃんがいると。

丁度来客が終わったところでもあったので、すぐに支店に趣きますと、彼女のカウンターの前のいすには、恰幅のいい70代後半とおぼしき女性が座っていました。

電話をくれた女性社員の話では、最近ご主人が亡くなってご主人名義の預金の解約に訪れたとのこと。

通常、預金口座は名義人が死亡すると即座に凍結されます。

この凍結を解いて預金を引き出すには、相続人全員の捺印もしくは遺産分割協議書等、いずれにせよ、非常に煩雑な手続きを要します。

そこで当惑するのが、伴侶を亡くして一人きりとなった高齢者です。

相談したり、役所関係をまわってくれる息子や娘がいないと、どこへ行って何をしたらいいのか路頭に迷ってしまうのです。

このTさんがまさにそのパターンでした。

通帳はすべて亡くなったおじいちゃん名義。

葬式費用やなにかで物入りなところへ持ってきて、預金を引き出そうにも1円も引き出せない。。。。

結局私は、その場で彼女の相続関係書類を整えるお手伝いをさせていただくことにしました。

まずは戸籍関係を調べ、関係者を洗い出した上で改めて手続きをすることとして窓口を辞し、Tさんを車に乗せて市営住宅まで送りましたが、送る途中Tさんは何度も私に手を合わせて、

「やれ助かった~~(◎´∀`)ノ、一人では何にもわからんがな~~」

と何度も仰って。。。

「いや、これは私の仕事ですから(^-^;。ちゃんと手数料頂くんですから(^-^;。」

そう何度言っても

「ありがとうなあ ありがとう(。>0<。)」

って

その後戸籍を当たってみると、Tさんは一人ぼっちではありませんでした

市内に一人、養子ではありましたが息子さんがいらしたのですw(゚o゚)w

息子さんは亡くなったご主人とも養子縁組をされていたので当然相続人です。

Tさんに息子さんの住所や連絡先を尋ねてもなぜかご存知なく、やむなくこちらで調査して私が彼と連絡をとりました。

彼は2~3日後に事務所に来てくれましたが、そのとき意外な申し出をしたのです。

ハンコがいるなら押します。財産はいりません。その代わり、養子縁組をやめたいのです。母にそのようにお願いしてくれませんか。」

事情は何もお話しになりませんでした。

財産といっても、Tさんのご主人の残されたものは200万円ほどの預金のみでしたから、莫大な遺産というわけではありませんが。。。。

私は驚いて、それはご自分でお話しいただきたいと申し上げましたが、彼は頑としてそれを拒みました。

そして、離縁届けを私に差し出し、

これと引き換えに書類にハンコ押します

と・・・

長くなりましたので、続きはまた。。。

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